PTAを退会したくなったときに読んでみるブログ

PTA退会届提出までの道のりと、その後。

PTAをやらないのは、ずるいのか? 本当にずるいのは誰?

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あなたはPTAの役員や委員をしているとき、何の役員や委員に就いたことがない人に対して、「ずるい」と感じることはありませんか?

PTAの役員や委員をやらないことは、ずるいのでしょうか。PTAの役員や委員から逃げ続けることは、ずるいのでしょうか。どうして、ずるいのでしょうか。なぜずるいと、感じてしまうのでしょうか。 

今回は、PTAをやらないことは、ずるいのか、その「ずるい」の正体に迫っていきたいと思います。

 PTA役員・委員をやらないことは、ずるい派の意見

まずは、ずるい派の意見から考えていきたいと思います。 

私もやったのだから、あなたもやらないと、ずるい

私たち人間は、自分がつらいことや大変なことは、それが自分にだけ訪れることをよしとしません。自分がつらくて大変なのに、自分以外の人間が楽しそうにしているところを見るのは、許せないし、納得できないのです。

特に、女性はこの傾向が顕著です。 

つまり、言い方が悪いですが、大変で面倒なPTA役員や委員を、私はちゃんとやったのだから、あなたにもこの大変で面倒なPTA役員や委員を、しっかりと味あわせたいのです。 

そんな風にして引き継がれたPTAに、プラスのイメージを抱くことはできません。こうして、PTAの負の連鎖は生まれます。一度生まれた負の連鎖は、なかなか消すことができません。

噂は噂を呼び、PTAは嫌なものとして引き継がれていきます。 

みんな平等に、我慢してやっているのだから、ずるい

先ほどの話とほぼ同じですが、PTAの役員や委員は、仕方なく我慢しながらやっている場合が多いです。PTAを心の底から楽しんでやっている人は、ほとんどいないと思います。

つまり、どの家庭も平等に公平に我慢してPTAをやっているのに、逃げるなんてずるい、というのが言い分です。 

今のご時世、シングル、共働き、単身赴任、介護、病気療養中など、各家庭みんな一様に平等で公平であるわけがありません。

ですが、PTAはどの家庭もみんな平等に公平にやりましょう、と言われたら、PTAはみんな一様に平等に公平に我慢して、やらなければなりません。それに納得できようが、できまいが、本人の意思とは関係ありません。

PTAの負の連鎖のはじまりです。 

あなたがやらないと、他の人にしわ寄せが行く

それほどに、どの家庭にも一様に平等に我慢をさせて、PTAの役員や委員をやらせるのには、理由があります。あなたにやらせないと、結局、そのしわ寄せが自分に来てしまうからです。 

結局、みんな楽しくてPTAの役員や委員をしているわけではないので、自分以外の人に、そのしわ寄せが行くように、必死なのです。

残念ながら、PTAの負の連鎖はPTAがなくならない限り、終わることはないのです。 

PTA役員・委員をやらなくても、ずるくない派の意見

次に、ずるくない派の意見を見ていきましょう。 

役員や委員ができない正当な理由があるのだから、ずるくない

今のご時世、シングル、共働き、単身赴任、介護、病気療養中など、PTAの役員や委員をできない理由は様々です。PTAをできない理由がちゃんとあって、できないことに、はっきりと「できません」と言っているのに、一体これのどこがずるいのでしょうか。 

そもそもPTAは任意団体だから、ずるくない

そもそもPTAは任意団体であり、自分ができるときに、自分のできることをすればよいはずです。ずるいとか、不平等とかそんな問題ではありません。 

できもしないのに、PTAを引き受けて、会議や連絡を一切無視する方が、よっぽどタチが悪いと思うのですが、「ずるい派」の人間には、そんなことは通用しません。「ずるい派」の人間は、とりあえず何が何でも、自分以外の人間がPTAを引き受けてくれさえすればいいのです。
なぜ「ずるい派」の人間は、ここまで強引にPTAの役員や委員を迫るのでしょうか。

それはここで、PTA役員・委員の免除を許してしまうと、今まで大変で面倒なPTAを我慢してやってきた自分がかわいそうだし、そのしわ寄せが、自分にまた回ってきてしまうかもしれないからです。 

そんなにずるいと思うのならば、PTAなんかやめれば?

PTAの役員や委員をやらないことは、そんなにもずるいことなのでしょうか。そう思うのなら、PTAなんてやめてしまえばいいのです。なぜならば、何度も言うように、PTAは自分の任意に活動できる団体なのです。

やはり、PTAの負の連鎖はPTAがなくならない限り、PTAをやめない限り、終わることはないのです。 

「ずるい」からといって、強制的にPTAを押し付けても、解決しない

ここまで、「ずるい派」の意見と「ずるくない派」の意見をまとめてみましたが、「ずるい」からといって、強制的にPTAを押し付けても、何も解決しないということが、少しわかってきたかと思います。

「ずるい」からといって、PTAを強制しても、負の連鎖がさらに大きな負の連鎖を呼んで、PTAのイメージがマイナスになるばかりです。 

たとえ、そこまで大変なPTA活動でなくても、強制されてやると、大変なように感じてしまうものです。

また、強制されてPTAの役員や委員になっても、その責任を投げ出して、役員や委員をボイコットをされるようでは、他のメンバーも大迷惑です。それはそれは、大変で面倒なPTA活動となるでしょう。 

本当に「ずるい」のは誰?

私は考えます。そもそも、PTAから逃げる保護者が「ずるい」のではなく、PTAの存在自体が「ずるい」のではないかと。 

PTAの多くは、PTAが自分の任意に、加入や退会ができる団体であることを、公言してはいません。なぜならば、PTAが強制的に加入される団体ではなく、任意に加入できる団体であることが知れると、PTAの加入を見送る保護者が続出する恐れがあるからです。

つまり、多くのPTAは、「PTAは任意に加入できる」という事実を意図的に隠し、「PTAは強制なんだから、やるのは仕方がない」と思い込ませる雰囲気を作って、全ての保護者を強制的にPTAに加入させ、強制的に活動させているのです。

これを「ずるい」と言わなければ、何なのでしょうか。 

また、これまでPTAの任意という実態を、明らかにしてこなかった学校も「ずるい」と思います。 

学校はPTAに頼るところが大きいのが現状です。それは単純に、学校へのお手伝いであったり、ときにはPTAの予算であったりします。学校にちょっとでも困ったことがれば、PTAの出番なのです。このように、PTAは学校にとって非常に都合のよい存在となっていることでしょう。

そんな都合のよいPTAがなくなってしまうと、学校はどうなってしまうのでしょうか。答えは簡単ですよね。 

だから、学校も隠すのです。「PTAは任意に加入できる」という事実を意図的に隠して、「PTAは強制なんだから、やるのは仕方がない」と思い込ませる雰囲気を作って、PTAの絶対の存続を守るのです。

どう考えても、「ずるい」です。 

最後に

今回は、PTAをやらないことはずるいのか、そして、その「ずるい」の正体は一体何なのかについて、考えてみました。

PTAをやらない人に「ずるい」と非難するのは簡単です。ですが、その「ずるい」の正体を今一度考えていただけたらと思います。