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PTAのポイント制度とは? メリットとデメリットについて

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PTAのポイント制という言葉を聞いたことがありますか? 

一般的に世間で使われる意味でのポイント制とは、皆さんもご存知の通り、何か買い物などしたときに、ポイントがおまけ的に付与される制度のことですよね。

ポイントを貯めると、そのポイント数に応じて、何か景品と交換できたり、ポイントそのものでお買い物ができたり、ときには現金に交換できるものもあります。ポイントを貯めると、ちょっとした嬉しいことがたくさんあります。自分へのちょっとしたご褒美として、貯まったポイントを使う方も多いのではないでしょうか。 

ではここで、PTAにおけるポイント制はどんなものを指すのでしょうか?

今回は、PTAのポイント制について、メリットとデメリットを挙げながら詳しく解説していきたいと思います。

PTAのポイント制度とは?

PTAのポイントは、貯めても何も貰えません。PTAのポイントは、みなさんがよく知るポイント制とは違って、貯めても自分へのご褒美のようには使えないのです。つまり、PTAのポイント制というものは、ポイントを貯めて何かを貰うことを目的としていません。

なぜなら、PTAにおけるポイント制というものは、ポイントを貯めない場合に、貯めなかった者に対して、罰則を科すことによって、強制的にPTAに参加させる制度だからです。

PTAのポイント制のメリット

まずは、ポイント制度のメリットについて考えていきたいと思います。考えていきたいと思ったのですが、何も思いつきません……。 

PTA役員・委員未経験の平のPTA会員には、メリットはない

はっきり言いますが、ポイントを貯めても何も貰えないのに、メリットもへったくれもありません。まだPTA役員・委員を経験していない、平のPTA会員側におけるメリットは何もないのです。 

あえて挙げるなら…未経験者に、PTA役員・委員を平等に負担させることできる

PTAのポイント制は、もともと、既にPTA役員や委員をやった側の人間が、強制的に、あるいは平等的に、次代のPTA役員・委員を決めるのに、手っ取り早い方法であったがために、用いられるようになった制度であると思います。

ポイント数を見れば、既にPTA役員・委員をやったのか、まだやっていないのかが、一目瞭然にわかります。一寸の抜け駆けも許されません。ポイントが貯まっていない人は、子どもが卒業するまでにきちんと貯めてね、というわけです。 

なので、あえてメリットを挙げるならば、役員・委員未経験者のPTA会員に、平等に公平にPTA役員・委員を負担させることができる、という点であると思います。 

しかしこれは、既にPTA役員や委員の任期を終えた側の人間のメリットであって、まだPTA役員や委員を経験していない側の人間にとってはメリットとは言えません。

なぜならば、平等に公平にPTA役員・委員を決められるとは言っても、これは言い換えれば、強制的にPTA役員・委員をやらされるのと変わりありません。本来、自由に参加できるはずのPTAとは、かけ離れています。 

強制的にPTA役員や委員をやらせて、何がメリットでしょうか。 

PTAのポイント制は、いうなれば、「PTAの役員や委員をやらないで逃げるなんて、ずるい!!」という、PTA役員・委員経験者の、どこにぶつけたらいいかわからない、もやっとしたネガティブな気持ちを解消させることに、重きを置いているのだと思います。 

PTAのポイント制を用いれば、この「PTA役員・委員を逃げるのはずるい」という、もやもやした気持ちを解消することできます。ポイント数のいかんによって、有無を言わせずに、役員や委員を平等に公平に科すことができるからです。

しかしこれは、平等と公平を謳ってはいますが、結局のところ強制の意と同義だし、言い方が悪いですが、PTA役員・委員経験者の腹いせみたいですよね??

これでは、PTA本来の目的である「子どもたちのためのPTA」が失われてしまうのではないでしょうか。 

PTAのポイント制のデメリット

次にポイント制度のデメリットについて考えていきたいと思います。私が考えるPTAのポイント制のデメリットは

  1. 高学年で転校してきた場合、ポイント数が圧倒的に足りなくて不利になる
  2. 兄弟姉妹がいる場合は、ポイント数がその人数分、倍になる
  3. PTA役員・委員を本当にやる余裕がない人たちへの考慮がされにくくなる
  4. PTA本来の目的である「子どもたちのためのPTA」が失われてしまう

の4つです。 

高学年で転校してきた場合、ポイント数が圧倒的に足りなくて不利になる

PTAのポイント制を活用している、PTAの多くは、公平感がなくなるという理由から、転入時のポイントの不利を加味していません。当たり前ですが、転校前の学校でポイントが貯まっていても、転入先の学校で、そのポイントは継続できないのです。つまり、転入時、あなたのポイント数はゼロです。 

仮に、1年生から6年生まで在籍して、6年生の卒業時点で6ポイント貯めなければならないと決まっていたとします。

1年生から在籍している人は、毎年順調にポイントを貯めていって、5年生開始時点では4ポイントが貯まっています。卒業までに必要なポイントは、あと2ポイントです。この調子で残り2年頑張りましょう。

一方、5年生開始時点で転校してきた人は、その時点で0ポイントです。卒業まで残り2年しかありませんが、その2年で6ポイントを貯めないとなりません。2年で6ポイントを貯めないとなると、かなり厳しいです。厳しいというのは、6ポイントを半分に割って、1年に3ポイントずつ貯めるとしても、その3ポイントがPTA役員など、少々面倒くさい役職に割り振られているからです。

PTAの活動が苦にならない方なら、2年で6ポイントは楽勝ですが、PTAに否定的な方だと、2年で6ポイントはかなり難しいと思います。 

兄弟姉妹がいる場合は、ポイント数がその人数分増えてしまう

多くの学校は、兄弟姉妹がいる場合、子どもの卒業までに必要なポイント数は増えます。 

ポイント制度の多くは、

  1. 卒業までに必要なポイント数(6ポイント)×兄弟姉妹の人数(2人兄弟)=12ポイント
  2. 兄弟姉妹が学校に在籍している年数(2歳差の2人兄弟で4年間は学校に在籍している期間がだぶるので、2人合わせて学校に在籍する年数は8年間)×1年間に必要なポイント数(1ポイント)=8ポイント

の2つのいずれかを採用しており、いずれの場合でも、 一人っ子より必要なポイント数が増えてしまいます。 

公平と平等をモットーとするポイント制度ですが、兄弟姉妹がいる場合と、一人っ子の場合とでは、必要なポイント数に差が出てしまいます。 

みんな平等もと、PTA役員・委員を本当にやる余裕がない家庭への考慮がされにくくなる

そもそもこのご時世、シングル、共働き、単身赴任、介護、病気療養中など、各ご家庭みんな一様に等しくありません。一様に等しくないはずなのに、PTA役員・委員の負担だけ、一様に等しく負担を強いるのは、おかしいです。

ですが、ポイント制にすると、PTA役員・委員を本当にやる余裕がないご家庭にも、公平と平等の名のもと、強制的にPTAの役員・委員を負担させてしまいます

そういったご家庭のためにも、もしもPTA役員・委員の選出に、ポイント制度を活用するのならば、幅広く柔軟に、PTA役員・委員を免除できるような規約を設定する必要があります

そもそもPTAは、個人の自由に活動できるものなので、たとえポイント制度を活用して公平と平等を謳おうとも、できない人にはやらなくても大丈夫なようにする必要があると思います。 

PTA本来の目的である「子どもたちのためのPTA」が失われてしまう

メリットの話で少し述べましたが、PTAの本来の目的は「子どもたちのために」です。

はたして、ポイント制度によって強制的に選出されたPTA役員や委員の方は、ポジティブな気持ちで、PTAの活動をすることができるのでしょうか。「本当はやりたくないのに」というネガティブな気持ちで、PTAの活動をすることにならないでしょうか。ネガティブな気持ちのままで、「子どもたちのためのPTA」を活動することはできるのしょうか。

私は、それは無理だと思います。PTA本来の目的である「子どもたちのためのPTA」が、失われてしまうと思うのです。 

PTA役員・委員経験者の方で、「PTAの役員や委員はやってみると、やりがいがあって楽しい」とおっしゃる方がいます。ですがそれは、あなたの個人的な結果論です。

確かにやってみると、やりがいがあって楽しいのかもしれません。それがたとえ、最初はポイント制度によって強制されたものであったとしても、試しにやってみれば、意外と楽しいのかもしれません。 

でもやはりそれは、あなたの個人的な意見であって、万人に共通することではないのです。「本当はやりたくなかったけれど、やってみると楽しかった」と言える人もいれば、「本当はやりたくないのに、やってみたけれど、やっぱりよくなかった。やらなきゃよかった」と言う人もいるのです。

「本当はやりたくないのに、やってみたけれど、やっぱりよくなかった。やらなきゃよかった」いうネガティブな気持ちの人に、「子どもたちのためのPTA」を任せることが、はたして、子どもたちにとってよいことなのでしょうか。

私には、それが子どもたちにとって、よいことに思えないのです。 

やはりPTA活動は、自分なりにPTAを肯定できて、PTAをポジティブな気持ちで受け入れて、活動できなければならないと思うのです。そこではじめて、「子どもたちのためのPTA」が運営できるのだと思います。 

最後に

今回はPTAのポイント制による、メリットとデメリットについて考えてみました。

私はどちらかというと、PTAのポイント制度には反対です。なぜならば、こうして改めて考えてみても、ポイント制度には何のメリット感じられないからです。それどころか、PTAの強制を助長しているとしか思えません。

PTAのポイント制度を導入している学校には、早急な廃止をお願いしたいです。